スラスラわかる陶器

奥が深い陶器の世界をスラスラ理解

狸や蛙など陶器の縁起物の意味とは

たぬき

陶器の狸には「他」を「抜く」ということから、出世や商売繁盛、金運アップなどのご利益があると言われています。うどん屋さんや居酒屋など飲食店に狸の置物が多いのは、環境や条件によって商売が繁盛するかどうかを予想しにくいため、縁起物の狸を置くことでご利益を期待しているからです。また狸には「八相縁起」と呼ばれ、8つの意味があると言われています。
笠は災難を避ける、大きな目は気配りができて判断力を高める、とっくりは飲食に困らないように、太いしっぽは何事もすっきりと終わるように、金袋は金運アップ、通帳は信頼関係の向上、大きなお腹は何事にも慌てず冷静沈着に考えられると同時に大胆な判断もできるように、笑顔で商売繁盛、という意味です。

陶器の蛙は「福がかえる」「お金がかえる」と言われ縁起のよい置物とされています。
困難な状況もかえるととらえられ、困った状況を好転させてくれる生き物としてお店などに置かれることも少なくありません。「信楽蛙八相」とも言われる陶器の蛙には、次のような意味があります。大きな口は火の元をパクリと飲み込む火災予防のため、膨らんだお腹は落雷予防、緑の保護色は災難から身を守る、子蛙は親の責任・子は親を敬う、前足は礼節を守る、後足はいざというときには迷わず前進、冬眠する蛙は心身を整える、毒虫など害虫を食べる蛙は悪い虫を撲滅し病気から守ってくれる、といった意味があると言われています。
無事に帰ってこられるよう交通安全のご利益や、前に勢いよく飛ぶ姿から出世や仕事運のアップのご利益もあると言われています。