スラスラわかる陶器

奥が深い陶器の世界をスラスラ理解

割れた陶器を接着剤で修理する際の注意点

陶芸女性

お気に入りの陶器を誤って割ってしまうことは誰にでも起こるトラブルです。粉々に砕け散ってしまった場合は惜しくても捨てるしかありませんが、一部分だけが欠けている場合や破片が大きく、紛失していない場合は自分で直すことが可能です。

陶器の修理には市販の接着剤を使うのが効果的な方法と言えます。手軽に入手できる他、扱いも容易であることが大きな理由です。陶器専用の接着剤が多数売られていますが、製品ごとに含有成分が微妙に異なります。そのため、同じ陶器用という名称でも効果が異なるので注意が必要です。
使用に適した材質が表記されているので、使用する前には必ず確認するのが修理を成功させる条件です。

陶器

接着剤による修理で注意すべき点として接着面の状態の改善が挙げられます。割れた状態のままで接着させるのが最善ですが、陶器は割れた面に微小の凹凸が無数に生じるのでそのまま接着剤を塗布しても綺麗にくっつきません。また、汚れが付着している状態でも接着効果が低くなってしまうので、修理の際には割れた面にやすりをかけて滑らかにする他、汚れを取り除いて綺麗にすることを忘れてはいけません。その際、あまり削り過ぎるとすき間が生じてしまうので慎重に作業を進めます。陶器用の接着剤は防水性があるので修理後に水漏れが生じる心配はありませんが、その一方で陶器全体の強度は大きく低下しています。水を入れる場合は割れる前よりも少量に留め、余計な力がかからないように注意しなければいけません。